茂木さんは音楽好きのMods野郎です。J−POP論という少し異色なテーマを選んだ彼にいろいろ聞いてみました。(ちなみに僕は今年の夏にフジロック会場で彼にばったり遭遇したりしました。)☆注=「僕」は文章を執筆した佐藤隆志です)
----なんで平野ゼミにしたんですか?
「平野ゼミ以外は入る気なかったんだよね。ふつう(他のゼミは)政治のこととかじゃん。
勉強してなかったからわかんねえし」
----なるほど。J−POPっていう題材を選んだのはなぜですか?
「最初はMods(注:狭義の意味では60年代のイギリスのビートグループなどを中心に盛り上がったユースカルチャー)とか音楽とファッションアイコンとかについてやりたかったんだけど。(狭義の意味での意味での)Mods論はもうすでに結論がでてるところもあって。
そんなわけでJ−POPが形成されるまでの日本のポップス、歌謡曲の変容に焦点を当ててみようと思ったんだよね。」
----面白いですね。
「日本の歌謡曲ってのは常に海外の音楽を吸収しつつ変容してきたから。
平野先生の言葉でいうところの文化触変だよ。
外国からカレーがやってきてうどんと合体してカレーうどん!みたいな。」
----なるほどー。わかりやすい例えですね。
----J−POPっていう言葉がなかったにせよその流れのもとができたのはだいたいいつくらいなんですかね?70年代とか80年代とか…
「言葉の意味よりも語感とか音の方が重要視されてきたころからだから、、やっぱ荒井由美(現・松任谷由美)とかナイアガラレコード(元はっぴいえんどの大滝永一の設立したレーベル。山下達郎と大貫妙子が在籍したシュガーベイブなども所属)のあたりとか。」
----ちょうどさっき大滝永一の「ナイアガラムーン」聞いてたんですよ。すごいっすよね。
「うん大滝はすげーよねー!」
----更に茂木さんのJ−POP論の講義は続く。
「日本語としての意味より語感が重要視される、それがサウンド化なんだよ。
サザンとかもそうで(以下すごい長く続くので省略)」
----その後話は現在のJ−POPシーンのR&Bの隆盛、大スターの不在、リスナーの嗜好の細分化、洋楽のセールス不振などに及びました。興味がある人は茂木さんに聞いてみよう。
----じゃあ、今年のフジロックのベストアクトは?
「(エルヴィス)コステロだよ。」
----(あーやっぱり。)次点は?
「そうだなあ。ミッシェル、ニック・ロウ、あとエイジアン・ダブ・ファウンデイションも
かっこよかったよね。たしかそん時遭遇したよね。あとクラムボンよかった。」
----そうですね。しかし見事に(モッズ的)趣味がでてますね。
「うん。あ、(フジロックの)初日のアンダーワールド(世界的人気のテクノユニット)で踊ってて
やっぱ音が重要なんだ!ってサウンド化を強く感じたよ。
あれはダンスミュージックだから言葉はないけど」
----たしかにみんな聞いてますしね。ノーメッセージなのに。
----話しているととにかく音楽好きっぷりが溢れまくっている茂木さん。
なんでそんなにロックが好きなんだろうか?
「そりゃギターのジャガジャーン!てのにやられちゃったんだよ。」
----そんな茂木さんの大学入学以降の一番はポールウェラーだそうだ。納得。
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